一軒家をリフォームしたい！予算目安と費用を抑える方法とは
一軒家のリフォームは、家の経年劣化やライフスタイルの変化に対応するために行われます。主なリフォームには、内外装リフォーム（壁や屋根の塗装など）、耐震リフォーム（旧耐震基準を満たさない家の補強）、断熱リフォーム（断熱材や二重窓の導入）、バリアフリーリフォーム（段差解消や手すり設置）などがあります。
リフォームには高額な費用と長期間の工事が伴い、場合によっては数ヶ月かかることも少なくありません。費用を抑える方法として、上張り工法（既存の床や壁に新しい材料を重ねる）や、建材のグレードを見直す方法があります。
目次
一軒家で行われる主なリフォームの種類
家屋の経年劣化や家族構成、ライフスタイルの変化に伴って、今まで住んできた家をリフォームしたいと考えている方は多いのではないでしょうか。一軒家で行われるリフォームの中でも特に需要の多いのが、以下に挙げるタイプのリフォームです。
◇内外装リフォーム
リフォームの中でも、長年住んでいる家で必ず行わなければならないのが内外装のリフォームです。内装リフォームとしてはクロスの張り替えの他に、建具の交換などがあります。
また、外装リフォームには外壁塗装や屋根の塗装・葺き替えなどが含まれており、家の寿命を伸ばすために大切な役割を果たしています。
◇耐震リフォーム
昭和56年以前に作られた家の場合、現在の耐震基準が強化される前の旧耐震基準によって建てられているため、耐震リフォームが必要なことがあります。特に地盤が弱い地域に位置しており、築年数が古い家の場合には早急に耐震リフォームを考えることが重要です。
◇断熱リフォーム
住まいの断熱性を高めるためのリフォームです。壁や床、天井部分に断熱材を入れる、あるいは二重窓を採用する、断熱塗料で壁を塗装するなどの方法があります。
◇バリアフリーリフォーム
住む人が安全で快適に、また不便なく過ごせるように行うリフォームです。階段や廊下、浴室などに手すりを設置したり、段差を解消したりするバリアフリーリフォームでより快適な住まいを実現します。
◇オール電化リフォーム
住宅で必要なエネルギーをすべて電気で賄う住宅にするためのリフォームです。調理器具や給湯装置を、オール電化リフォームによってガスから電気に変えることで、火災のリスクを大幅に軽減することが可能です。
オール電化リフォームの3大柱はIHクッキングヒーターとエコキュート・電気温水器、温水式電気床暖房／蓄熱暖房機です。いずれも導入する際には初期費用がかかるとはいえ、長い目で見れば経済的といえるでしょう。
一軒家のリフォームは負担が大きい？
一軒家をリフォームするとなると、費用が高額になるだけではなくリフォーム期間も長くなりやすいという懸念があります。リフォームすることのメリットとデメリットをよく照らし合わせた上で、どの程度の規模のリフォームを行うかを決める必要があります。
◇リフォーム期間が長くなりやすい
リフォームをする際にまず気になるのは、工事に要する期間です。現在住んでいる家をリフォームするとなると、できるだけ短期間で工事を終わらせたいと誰しもが考えるものです。しかし、一軒家のリフォームの場合、短くて1ヶ月、長ければ 4ヶ月前後の期間がかかることも珍しくありません。よりよいリフォームを実現するための打ち合わせ期間も入れると、最長で7ヶ月に渡ることもあります。一軒家はマンションとは違って外壁や屋根もリフォームしなければならないため、どうしても長い期間を必要とします。外構や庭のリフォームも含めるとなると、さらに2〜4週間のリフォーム期間が必要になってきます。
キッチンの設備だけを交換する場合などは1〜5日、ユニットバスの取り替え工事は約1週間で済みますので、長期間のリフォーム工事は難しいというのであれば、小刻みに少しずつリフォームを行っていく方法もあります。
◇費用が高額になりがち
費用が高額になりがちなのも一軒家のリフォームの特徴です。マンションはリフォームできる場所が制限されているため、500万円程度を目安にリフォームが可能です。これに対して一軒家は屋根や外壁、外構や構造体なども含め、どこまでもリフォームが可能なため、場合によっては費用が数千万円に及ぶこともあります。
全面リフォームを行う場合、下手すると中古のマンションが買えるほどの費用がかかることもあるため、綿密に時間をかけてプランを練っていかなければなりません。
建て替えという案もありますが、築年数の古い一軒家の場合には建て替えの際に現行の建築基準をクリアしようとすると、今より家屋が狭くなってしまうことがあるため、要注意です。
一軒家のリフォーム費用を安く抑える方法
高くなりがちな 一軒家のリフォーム費用を安く抑える方法としては、上張り工法を取り入れる、あるいは建材や設備のグレードを見直すといった方法があります。クオリティをできるだけ落とさずに、コスパのいい方法を探すことが大切です。
◇上張り工法を取り入れる
上張り工法というのは「カバー工法」「重ね張り工法」とも呼ばれており、例えば床をフローリングにする場合、既存の床の上に用材を重ね張りにします。本来であれば既存の床をすっかり剥がして解体しなければならないわけですが、上張り工法であればこの過程を省けるため、手間賃や運搬費を大幅に削減することができて経済的です。上張り工法は床だけではなくて、屋根や外壁にも適用できます。
ただし、屋根や壁に上張り工法を用いた場合、重さが増すため、建物全体のバランスが崩れてしまうことがあります。上張り工法のメリット・デメリットを熟知した業者に作業を依頼する必要があるでしょう。
上張り工法は工期が短く、しかも床が二重になり、強固になるというメリットもあります。
◇建材や設備のグレードを見直す
どうせリフォームするなら床は無垢材にしたい、設備も使い勝手のいい最新のものを導入したいなど、夢を膨らませる方も多いはずです。とはいえ、予算は無限にあるわけではないため、ある程度は妥協してリフォーム費用が高くなりすぎないように気をつけることも大切です。
例えば、無垢材はリビングだけに使用し、他の部屋は複合フローリングにするか、カーペット、フロアタイルを導入すれば、リフォーム費用をかなり抑えられます。同じ無垢材でも、最も高価な桧材をあきらめて杉にすればコストダウンができます。
予算500万円前後でできる一軒家のリフォーム事例
予算500万円前後でできる一軒家のリフォーム事例として、バリアフリーリフォームと断熱リフォームをピックアップしてみました。
◇バリアフリーを含むリフォーム
築42年戸建てのリフォーム事例（505万円） 愛知
築42年の住宅で老朽化が進んでいた水回り設備をすべて交換し、快適な住環境を実現しました。特にキッチンは白を基調に統一し、明るく清潔感のある空間になっています。収納やシンクの配置を見直し、使いやすさと機能性を向上させました。
また、高齢のご夫婦が安心して暮らせるよう、安全性にも配慮した改修を実施しました。フローリングを新しく張り替え、段差を解消し、玄関や廊下、浴室などには手すりを設置しました。これにより、移動時の安全性が格段に向上しています。
◇断熱リフォーム
築32年のリフォーム事例（500万円）石狩・花川
窓をアルミから樹脂サッシに替え、床下にもウレタン吹き付け断熱工事を行った結果、「台所の床の上にペタッと座れるようになった」Aさん宅です。外壁のモルタルをはがし、断熱・気密を外側から新たに行い、構造用合板を使って耐震補強が施されています。天井部分にも断熱がなされ、暖房費も月に1〜2万円安くなり、かなりの節約になっています。
家の築年数が経っている、バリアフリー や断熱を導入したいと考えているのであれば、一度住宅メンテナンスサービスを受けて、効率的なリフォーム案を練ってみるのもいいかもしれません。
一軒家のリフォームは、家の経年劣化やライフスタイルの変化に対応するために行われます。主なリフォームには内外装、耐震、断熱、バリアフリー、オール電化です。
内外装リフォームでは、クロス張替えや建具交換、外壁や屋根の塗装などが含まれ、家の寿命を延ばす役割を果たします。耐震リフォームは、旧耐震基準に基づいた家を補強するため、特に古い家や地盤が弱い地域で重要です。断熱リフォームは、断熱材や二重窓の導入で住まいの快適性を高めるもので、エネルギー効率を改善します。
バリアフリーリフォームは、高齢者や障がい者のために段差を解消し、安全な住環境を作ることが目的です。オール電化リフォームは、ガスから電気へ切り替え、火災のリスクを減らし、経済的にも有利な選択となります。
一軒家のリフォームは高額で長期間にわたることが多く、外構や庭の工事を含む場合はさらに数週間かかることがあります。費用を抑える方法として、上張り工法や建材のグレードを見直すことが推奨されます。上張り工法では、既存の素材に新しい材料を重ねることで工期短縮とコスト削減が可能です。
予算500万円で行えるリフォーム事例として、バリアフリーリフォームや断熱リフォームがあります。バリアフリーリフォームでは、段差解消や手すり設置で安全性が向上し、断熱リフォームでは断熱材の追加や窓の交換により、暖房費を削減できます。このように、一軒家のリフォームには慎重な計画と工夫が必要です。
